ビル3階のベランダに流れのある庭園

1階は駐車場、2階、3階は会社、3階の一部は会議室。そしてその室内から眺めるベランダを思い切って和風庭園にしてほしいとの御依頼のあとでした。

施工前のベランダのあとです。

幸いにも雨風は当たる為、人工樹木は一切使わず、全て自生の植木を使用しました。

施工にあたり問題点は、庭石、植木、黒土などの重量負荷、植木の活着、生育、成長条件や今後の管理、そして、排水、保水及び防水などの水回りと問題は山積みでしたが、ひとつずつクリアしようと施工計画を立てます。

まず、庭石は水鉱石(従来の庭石の重量の10分の1以下)を使用し、土はパーライト、油粕、その他の製品を調合し、約3分の1程度の重さの人口軽量土を作成し作業しております。


重量負荷、植木に与える適度な栄養、及び保水しながらも適度な浸透、透水性を維持し、維持し、更に施主様の意向を大切にして無事完成致しました。


使用したエバーバンブー竹垣は「大津垣」、「御簾垣」、ベランダより屋上へ行く為の階段入口用の「御簾垣門扉」及び、「西京垣」。その他「駒寄せ」、「ぬれ縁」等で施主様所有のビルならではの重厚感をぼかし、自然を前面に出す雰囲気の庭園としました。


樹木はキタヤマダイスギ、ソヨゴ、ウメモドキ、カンツバキ等。


灯篭は夜間タイマーで点灯する六角蝋燭型と岬型の2基を景のアクセントとして使用しました。

また施主様の意向で小さな滝、流れの中で金魚を飼育したいとの事でしたので、重量負荷の問題や全体のバランスを考慮し、大きすぎない流れとそれを受ける滝壺を施し、その中に置く循環用のポンプは美観を鑑み、あえて使わず、金魚達の生態系にも影響が出ない素材、骨材で施工しました。